振り返れば映画。 [映画(08年~)]
映画は観れていないし、8mm短編作品もまだまだだし、肝心の個人制作も進んでいない。
振り返るには色々あったけど、未成熟な所が自分にはある。何かを作り上げていたかと言われるとそれはまったく。
今年見た映画は
『ВАРЕЖКА』(67年・ソ連)
『ルナシー』(05年・チェコ)
『冒険者たち』(67年・フランス)
『Genius Party』(07年・STUDIO4℃)
『チェブラーシカ』(69年・71年・74年・83年ソ連)
『喜びも悲しみも幾歳月』(57年・松竹)
『セロ弾きのゴーシュ』(82年)『注文の多い料理店』(93年)
『砂の器』(74年・松竹=橋本プロ)
『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』(08年)
『市川崑物語』(07年)監督:岩井俊二
『三文役者』(00年・近代映画協会)
鬼…鬼だ!『鬼婆』(64年・近代映画協会)
『太平洋奇跡の作戦 キスカ』(65年・東宝)
『テルマ&ルイーズ』(91年・米)
カンパネルラ~!『銀河鉄道の夜』(85年)
でした。
今年の無作為映画鑑賞で一番だった作品は『三文役者』かな~。
一昨年ほどDVDの馬鹿買いもしていないし、既に見た作品が多いんだよな。
あえて載せたかったのはソ連アニメーション特集…。
『ВАРЕЖКА』『ミトン』(67年・ソ連) [映画(08年~)]
68年 アヌシー国際アニメーション映画祭グランプリ
70年 モスクワ国際映画祭金賞受賞
とうとうフィルムブックを買ってしまった。たった10分のアニメーションなのに、こんなに感情移入してしまうのは魔法のようだ。
フィルムブックを読んでいると友達の部屋で飼っている黒い犬はライカ犬ということになっている。
ロシアン・ライカという犬種は世界的に観ても認知度が極めて低いらしい。またスプートニク計画の中でロケットに入れられ、実験にされた犬(実際にロシアン・ライカだったかどうかは不明。)が有名だが、10年前の実験の犠牲を悼んでいるのではないか?とも取れる。
ただ純粋に監督のロマン・カチャーノフは人形アニメーションで子供の微妙な心情を描きたかったのかもしれない。今年は観る映画も少なかったけど、アニメではだんとつでこの作品がナンバー1。だって赤い毛糸の犬が動くんだよ。なんて素敵なんだ。
『ルナシー』(05年・チェコ) [映画(08年~)]
ご覧に入れます映画はホラーです。
ホラーというジャンルならではの落胆を皆様にお届けします。
これは芸術ではありません。芸術はとっくに死にました。
毎晩のように男二人に拘束着を着けられそうになる悪夢に悩む主人公が、時代錯誤な侯爵と名乗る男に言われるがままに家へと招待される。その日の夜、神を冒涜し、サディズムに浸る侯爵を目撃する。侯爵は自らを硬直症持ちと言い、精神を病む同じような境遇の主人公にとある精神病院に案内する。そこでは精神病患者に拘束着も体罰もない「自由意思療法」をとるおかしな病院だった。
久々!映画感想。
なんだか今年は忙しいよ。映画を観始めて以来、一番映画を観ていない年だと思う。
チェコが生んだ鬼才中の鬼才ヤン・シュヴァンクマイエル監督の最新作『LUNACY』(間欠性精神病、精神病、狂気)。タイトルは『狂気』で舞台は精神病院と聞いただけで毒々しさを感じさせる。怖いもの観たさのグロテスクで奇妙奇天烈な非合理映画かと思ったらちゃんとしたストーリーはあるし、現代社会への風刺が効いた作品だと思う。監督自身「この映画はホラーです。」と位置づけているが狂気じみてるのはこの映画だろうか?現実の方がホラーなのだよと言わんばかり。
相変わらずグロいが今までになくユーモアが少ない。不快な効果音は多用している。小物では生肉、舌、釘、金槌、椅子、クローゼット、クッション、ニワトリ、カード、鍵、櫛、棺桶など。
「芸術ではありません」というように、セリフが多くて、論理的で哲学的な要素がある。また登場人物たちがとても胡散臭い。主人公はもちろん観客の視線になった立場なんだろうけど、観客が物語りに従うように無垢な主人公が相手に言いように利用されてしまう。管理される残酷さ、自由だけど残酷な現代を風刺しているのではないかと思った。
自由はどこかで管理されている。ホラー観たさで現実を見ることができるだろうか。
『冒険者たち』(67年・フランス) [映画(08年~)]
冒険者たち 40周年アニヴァーサリーエディション・プレミアム
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- メディア: DVD
パリ郊外の廃車置き場に若い女がクズ鉄をくれないかと尋ねてくる。そこに住むのは破天荒な2人の男。マヌーは曲芸飛行や小型飛行機のインストラクターも勤めるスポンサー付きの賞金稼ぎ、ローランは個人で新型エンジンの開発を進め特許を取得したい技術者、そこにやってきたのは全財産を投げ打って芸術作品を作り個展を開こうとするレティシア、夢を追いかける3人の奇妙な共同生活が始まる。それぞれ挫折を覚える3人に舞い込んできたのはコンゴ内乱に行方知らずになった財宝の在り処。3人は財宝目当ての旅に出ることになる。
夏の終わりに青春レクイエムの大傑作をDVDで観ようと思った。おもわず買ってしまった40周年アニヴァーサリー版。BS2で一度観たことがあるけど、鮮やかな色彩とロケーション、口笛で奏でる哀愁ある音楽に強い印象を得た。フランス映画ってなんでこんなにカッコいいの!
パイロットのアラン・ドロンもバイクやオープンカーに乗った姿とかメチャメチャカッコいいし、機械道具に囲まれた部屋でエンジンの開発に余念がないリノ・ヴァンチュラも男臭いかっこよさがある。3人の夢に追いかける姿勢というのが若いと言うのか、夢に執着する大人たちのかっこよさというのか。フランス映画でお気に入りの一つ。
とにかく撮影がいい。トラックに並走する複葉機とか、コンゴの日差しの強い海、曇りがちなレティシアの故郷など、ロケーションが抜群にいいんだよね。この夢を楽しんで過ごしている3人を快く観てしまう。夢を追いかけているって揺ぎ無い信念とか、我慢だとかそういったイメージが付くけど、この映画だと3人はそれぞれ挑戦して、思い思いに過ごしている。辛いこともあるけど3人が助け合ってたまには距離を置いてみたり、思いやりあるいい関係だ。
ラストのアラン・ドロンのセリフを真似てみたい。かっこよすぎるよ。海が綺麗だなと思える映画。
DVDにはロベール・アンリコ監督とレティシア役のジョアンナ・シムカス(夫はシドニー・ポワチェ)のインタビュー、音楽家のフランスソワ・ド・ルーべにスポットを当てた短編作品が収録されてある。オリジナル予告編はもちろん、HDリマスターされた予告編も観られる。
個人的な話になるけど、去年GWのバイク旅で大久野島の旧日本軍の秘密工場に行ったけど、この映画に出てくる要塞島をイメージして行ったんだよ。
『Genius Party』(07年・STUDIO4℃) [映画(08年~)]
内容紹介
創造力の制約は、ゼロ。世界に誇る天才たちのパーティ・ムービー。
アニメ映画史上に残るスマッシュヒットを記録した「鉄コン筋クリート」など数々の名作を生み出しつづけるSTUDIO4℃の下に、日本のアニメーションが誇る7人の映像作家が集結!世界が認める才能によって、まったく新しいパーティ・ムービーがここに誕生する。
#1[福島敦子|GENIUS PARTY]
代表作:ゲーム「ポポロクロイス物語」(キャラクターデザイン)
#2[河森正治|上海大竜]
代表作:「マクロスゼロ」(監督・メカデザイン)/「地球少女アルジュナ」(監督)
#3[木村真二|デスティック・フォー]
代表作:「スチームボーイ」(美術監督)/「鉄コン筋クリート」(美術監督)
#4[福山庸治|ドアチャイム]
代表作:「マドモアゼル・モーツァルト」(コミック)他多数
#5[二村秀樹|LIMIT CYCLE]
代表作:「PERFECT BLUE」(原画)/「ジョジョの奇妙な冒険」(監督・ビジュアルワークス)
#6[湯浅政明|夢みるキカイ]
代表作:「マインド・ゲーム」(監督)
#7[渡辺信一郎|BABY BLUE]
代表作:「カウボーイビバップ」(監督)/「サムライチャンプルー」(監督)等
アニメーション作家7人の映像競演。どれも視覚的に面白い作品ばかり。短編というのも「次はどんなのがでるの?」という期待が深まる。個人的に好きなのが、#2『上海大竜』。SFバンザイ!
発展と進化?シュールな世界。#1『Genius Party』。
上海のとある託児所で起こる宇宙の未来を駆けた一大戦争を描く。2#『上海大竜』
暗く汚い世界で珍しい生きた「蛙」を拾った事から元に戻そうとする悪ガキ4人組。3#『デスティック・フォー』
ある日、自分と同じ人間が姿を現し、自分が消えて見えてしまう。#4『ドアチャイム』
大都市東京の中で自分を見いだす?アンソロジー#5『LIMIT CYCLE』
赤ん坊のシュールな感じが面白い#6『夢みるキカイ』。
幼馴染の高校生2人の短い旅を描いた#7『BABY BLUE』。
『チェブラーシカ』(69年・71年・74年・83年ロシア) [映画(08年~)]
公式サイト
http://www.ghibli-museum.jp/cheb/
ロシア史上最も愛される人形童話。オレンジの木箱に入っていた正体不明の生き物。果物屋の店主に起こしてもすぐに倒れてしまうことから「チェブラーシカ」(ばったり倒れ屋さん)と名づけられ、電話ボックスに住むことになる。一方、動物園で働く孤独なワニの「ゲーナ」は友達を求めて広告を出すのだが…。
熊の子供か猿の子供か、正体不明の生き物チェブラーシカと孤独なワニのゲーナの友情。いたずらをしては喜んでいるシャパクリャクおばさんの存在。どこか寂しいロシア音楽。映画を観てるとロシアって割といい国なんだろうなと思う。制作された冷戦の時代にも国民はこんなキャラクターを愛していたんだから。
全四話は制作された年数も違うけど、それぞれ違うメッセージ性があって社会風刺もきいていて、大人が見ても面白い。悪い人なのかいい人なのか、シャパクリャクおばさんのような人はどこかにいるよね。
公式サイトでは期間限定番組を配信中で、制作した人のインタビューのほかにアニメーターとして参加したユーリ・ノルシュテインのコメントもある。
偶然なのか「○長書店」の猿(たぶん)のキャラクターはどこか似ている。
http://www.e-nobunaga.com/
『喜びも悲しみも幾歳月』(57年・松竹) [映画(08年~)]
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
松竹が誇る天才監督・木下惠介監督が、日本縦断ロケを敢行。高峰秀子と佐田啓二の主演により、同名の主題歌と共に大ヒットを記録した名作。灯台守一家の25年にわたる波乱に満ちた生活と愛情を、繊細かつ力強いタッチで描いた壮大なる年代記。
昭和7年、観音崎灯台。若い灯台守が嫁を連れて故郷から戻ってくる。灯台守の職業観、赴任先の過酷な毎日、灯台と共に生活する家族を25年にわたって描く。灯台の光を象徴的に、家族を愛し、辛い仕事をこなす夫婦に深い感動を覚える。暗い夜に船の安全を願って、灯台は今日も光を灯し続ける。
久しぶりの映画鑑賞。女木島男木島旅行の前に観たかったけど、いい作品に出会えた。灯台とは人里から遠く離れた岬や島にあり、そこでの生活は孤独と過酷な環境にたえなければならない。まずその職業観からとても辛い仕事だなと思う。数年で移動になり、赴任先は日本の端っこ(もちろん灯台は突端にあるものだが。)で、家族からは遠く離れ、豪雪豪雨に耐え、孤独を感じながら夜通し起きて、日中は灯台の整備と、とにかく大変な職業だ。
赴任先は日本のあちこちで観音崎、石狩、大島、水子島、女島、弾崎、御前崎、鶴御崎、男木島と。男木島はラストの方のシークエンスで出てくる。最後に観音崎に再び赴任になる。
主人公の灯台守、有沢を演じる佐田啓二さん。初子が生まれて大はしゃぎする。
その妻役、高峰秀子さん。夫を支えながらも子育てに勤しむ。
制作当時この二人は共に30代のはずだけど、老け役が実にうまい。
佐田啓二さんはこの映画の7年後には亡くなってしまうけど、歳を取った彼の姿というのは、映画の終盤の老夫のようだったのだろう。
灯台の重要性と管理する人の存在に、働くとはどういうことかを学んだ。現在、灯台は無人化されているようですが、それを支えた人たちに感謝です。
『セロ弾きのゴーシュ』(82年)『注文の多い料理店』(93年) [映画(08年~)]
年末年始の帰省の折に、埃を被った段ボール箱に大量に保管されていたVHSの中から探しあてました。案の定、VHSのカセットの窓にはカビが見える。いつ録画したか分からない(たぶんNHK)宮沢賢治特集番組の中から『注文の多い料理店』(監督:岡本忠成〈完成前に没〉)を、もう一度みたいという気持ちから。
カビてはいたけど、「乾式ビデオクリーナー」(最近全然使わないし聞かないよね。)で何回か繰り返してようやく観れるようになった。
この絵画が動く、セリフなしで構成される世界に心引かれて、「十数分ぐらいの短い作品だけど、光の陰影がすごいなあ。」なんて思っていたわけです。VHSの二番目、そして最近になって観たのがこれです。
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)宮沢賢治の名作童話を『火垂るの墓』の名匠・高畑勲が監督。田舎町のセロ奏者・ゴーシュの姿を、牧歌的な風景にべートーヴェンの田園交響曲を乗せた詩情豊かな映像で綴る。
このアニメは小さい頃から何度となく観ている非常に思い入れのある作品。制作のオープロダクションは本来作画専門の会社だが、6年の歳月を掛けて自力で制作、公開したそうだ。監督は高畑勲。キャラクターが曲に合わせてセロを弾く動作のリアリティには現在でも驚く。一時間弱の作品だが、田舎町で直向にセロ(チェロ)を学び続けるゴーシュの姿と、田園の風景とクラシックの音楽に絶妙な調和を感じる。人の言葉を話す個性豊かな動物たち(猫、カッコウ、子狸、鼠の親子)が、少しずつセロの演奏のなにかを教えてくれる。
実写を追求しているものもあるが、はっきりとした虚像を観る気楽さや、画を見る楽しさっていうのも感じる。画で描くから素晴らしいのだ。
どちらも数分の尺に制作期間を掛けにかけた名作だ。宮沢賢治のやさしさにも触れて将来目指しているものはこれだと思った。ただ今書いている脚本はそんなのとは程遠いのだが。
童話の物語は数回似たような場面が出てきて、最後には落ちが来る繰り返しの構成が多い。
インドの虎刈り!
『砂の器』(74年・松竹=橋本プロ) [映画(08年~)]
「彼はもう、音楽の中でしか父親と会えないんだ。」
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)松本清張原作のサスペンス小説を、橋本忍と山田洋次の共同脚本により名匠・野村芳太郎監督が映画化した邦画史上の傑作。親子の“宿命”を断ち切り、音楽家として成り上がった和賀英良の目の前に、突如封印したはずの過去が突き付けられる。
迷宮入り目前の殺人事件を捜査していた刑事二人は、被害者と犯人とが会っていた場所で、東北弁の会話の中に「カメダ」という言葉を話していた事を知り、捜査を続けるのだが、人名でもなく東北の土地の名でもない。東北弁の語尾が唯一飛び地して話される出雲地方で「亀高」という地名があることを知り、被害者の過去と犯人との接点が浮き出てくるのだった。
一連してこの『宿命』が流れています。このオーケストラが奏でる豪華な交響曲に、映画はクライマックスを大きく盛り立てている。犯人捜査に刑事(丹波哲郎)が日本全国に捜査に出向くのも、ミステリーサスペンスのよいところ。土地相応の情緒がいい。 島根県にも行ってみたいね。
悲しい過去にこの音楽。親子二人が放浪する姿には涙を誘う。宿命に翻弄された男、彼が一人でその宿命と戦う姿には感動を覚える。
『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』(08年) [映画(08年~)]
「ウィ! ウィウィウィ…」
前作から10年。あのお騒がせ男、ビーンが帰ってきた。
抽選でフランス・カンヌのビーチリゾートの旅が当たったビーン。
さっそくフランスへと出発するが、道中自分のせいでロシア人の父子を離れ離れにしてしまい…。
会社の人と一緒にチケットを買ったはいいが、満席で、都合上先週のうちに映画館にいけなかったので、今日行ってきた。左右ともカップルの席にはさまれた。只ひたすら聞こえるカップルの会話を聞くしかない僕は寂しい一人者。コメディを観る。映画館でコメディは生まれて初めて。
最初に『鷹の爪団』の劇場内注意事項をテーマにしたショートムービーも面白かった。以前のはこれ。
感想として、なかなか面白い作品。
思ってたより面白いので評価もいい所。ローワン・アトキンソンは顔や動きで笑わしてくれる。
イギリス人って生ガキ食べないんだね。
チョイ役でウィレム・デフォーが出てる。
『~カンヌで大迷惑?!』のタイトルが付いてるけど、
英題は『THE BEAN`S HOLIDAY』で内容もカンヌまでの珍道中がほとんど。
カンヌは南フランスだから、北から南までフランスを縦断したということになる。
劇中よく聞く曲がこれ『LA MER』。MERがフランス語で海の意味らしい。
ビーンはカンヌのビーチに向かうのだ。
最近すごく聞く曲なんだけど、名前がわかってラッキーでした。名曲です。
ネタばれですが、プッチーニの『私のお父さん』を口パクで歌うビーンは可笑しいよ。
こんなのがあるらしい。
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