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『ANPO』(10年・米、日) [映画(10年~)]

『あれは原爆投下の訓練だよ。』   『こんな街中でやっていいのかな?』 
『安保条約の取り決めだからな。』     (『しとやかな獣』川島雄三)
映画『ANPO』チラシ

http://www.uplink.co.jp/anpo/index.php

映画『ANPO』予告

僕は戦争が嫌だ、あんな馬鹿なことを絶対にしたくない。

今から半世紀前の1960年6月。自民党、岸信介政権下で日米安全保障条約の自動更新に反対するデモは全国に拡大。デモは「二度と戦争をしたくない。」という意志の下、学生、労働者、主婦をも闘争に掻き立てた。日本で生まれ育ったアメリカ人、リンダ・ホーグランド監督が当時を生きた芸術家、作家、映画監督のインタビューと作品をコラージュさせながら現在も続く米軍基地問題や日米関係についてを問いただすドキュメンタリー。

インタビュー形式で話は進むのですが、この日米関係の複雑さを少しずつ解説してくれるのはとても助かりました。朝鮮戦争、ベトナム戦争、右翼、左翼、自民党政権、沖縄、米軍基地、東京裁判、高度経済成長、共産主義など、なにかが繋がっていて日本がこの条約でどう未来が決定したのかを知りました。ちょっと一回観ただけではまとまらないですが、内容的には反米よりな感覚がしました。国は一国だけで成り立つわけではないにしても、この条約により苦しんでいる人は多いが利益を得ている人も多い。日本は経済成長を得ることができた。沖縄では米兵におびえていた。何かがぶつかりあい憤りを得て日本の中のアメリカについてを考えさせられる。
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『借りぐらしのアリエッティ』(10年・スタジオジブリ) [映画(10年~)]

「君たちは滅びゆく種族なんだよ。」

http://www.karigurashi.jp/index.html

物語解説は省きます。

言わずと知れた国民的大人気のスタジオジブリが今年放ったアニメ作品。劇場内はやはり小さな子供がわんさかいて映画に集中できないんだよね。大きな独り言はテレビの前だけにしようよ。

人間社会から「借り」をしてつつましく生きてる小人の家族に、掟を破って少年と意思疎通を行う主人公アリエッティの物語。人には決して知られてはならない小人たちの生活の描写、美術設定は見ていて楽しい。小人伝説が根強いイギリスの美術が主みたいで舞台となる翔が静養する祖母の家も洋館。ケルト音楽の主題歌も相まってここの舞台は日本なんだよとはなかなか思えない。

全体的にユーモラスな所が少なかった印象。あえて面白いキャラクターというならホミリーと敵役のハルさんだろうか?笑わないアリエッティの父のポッド、小人の掟に反発して問題を起こした責任を悔やむアリエッティ、心配性な母のホミリー、病弱な体質の翔、小人の存在に気づいて捕獲しようと考えるハルさん、小人のコミュニティも断絶されているアリエッティ一家、結構アンニュイな感じがする。小人の未来に対しての希望も少しは感じるかのような展開がなかったような印象を受けた。
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『十三人の刺客』(10年・東宝) [映画(10年~)]

「預かったそち達の命、使い捨てに致す。」

http://13assassins.jp/index.html

物語は省きます。

感想:今、ノリに乗ってる三池崇史と豪華多彩な俳優陣にアクションありで、さすがの娯楽映画といった感じでまったく退屈に思わなかった。若手芸能人のデビュー記念映画とかそんなものではなくて実力派俳優の骨太な映画として楽しんだ。63年のリメイクだそうだが、ラスト50分に及ぶ13対300人の殺陣アクションは本作が最大最長記録になるのは間違いないようだ。主に翻弄される侍たちの悲哀といった感情の部分は少々薄いといった印象。サムライたるべき理想なんかを感じた。
そのラストの舞台となる宿場町も約2億円を賭けて見事に再現。ちょっと行ってみたくなる規模の大スケールでこれはすごいと思う。

ただちょっとグロテスクなシーンが鼻についたというか目に付いた。これは最近の映画全般に言えることだと思うけど、節操がないというのかちょっとな~。三池さんならなんとなくわかるが。
敵役の吾郎くんだけど悪役が残虐非道なキ〇ガイみたいに描くのはちょっと。これもすきずきがあるだろうが、なんとなく相手の気持ちも分かる程度の表現ができないものだろうか。
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『私は二歳』(62年・大映) [映画(10年~)]

「ぼくが生まれて最初に見たものはぼんやりとした影だ。」

私は二歳 [DVD]

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物語:一歳半になるターちゃんこと太郎は、赤ん坊の頃から大人顔負けの分析と意見を考えていた。しかし両親には何も分かってもらえない。育児をテーマに家族と人の真理に迫る。市川崑監督による異色ホームドラマ。

赤ん坊の頃からすでに自我に目覚めていたという設定は『ベイビー・トーク』というアメリカ映画にもあるけれど、2歳にも満たない赤ん坊が大人に対するユニークな視点、人の尊厳や家族の確執まで描いた作品として原作の松田道雄と市川崑と和田夏十さんは素晴らしい。もう半世紀前にもなる本作は今でも育児書に変わる、子供を育てるというのはどういうことなのかを教えてくれると思う。子供ができるという人にはまず見てほしい作品。

まず子供の周りにある危険性を色々紹介してくれている。(映画冒頭では団地に住む夫婦という設定。)
そして映画は育児をする母親の美しさというものを表現していると思う。夏に汗まみれで赤ん坊にお風呂につける母親のシーンは、育児の大変さを知るとともに人はいつかこのようなことを母親にされて育ってきたのだと思い起こしてくれる。親には労働だろうが綺麗なんだよね。

また子供が生まれてから変わる家族関係の変化が出てくる。映画では夫の兄弟の転勤で、それまで同居していた夫の母を一人暮らしにはさせまいと、代わりに実家に引っ越して同居をすることなるのだが、だんだんと子供の育児の違いから妻と対立するという展開。

ここからネタばれ含む。

「日本には人が多すぎるっていうだろ。一人でも減った方が日本が助かるってもんだよ。」

上のセリフは若者のオートバイの事故死の記事を新聞で読んだ老婆(夫の母)が憤慨して姑にいう言葉で、親からもらった命を粗末に扱う奴は死ねばいいと吐き捨てる。孫が生まれたばかりの老婆が言うセリフかと思ったのだが、若者の死に対して憤慨する老婆の死期を迎える心情と命というものの嘆きともとれる。

森永乳業のタイアップ作品だそうで所々森永の製品を見つけることができる。市川崑だなと感じたシーンは色々あって、煙草をくわえながら育児に対する愚痴をこぼす船越英二のカット。(市川崑はヘビースモーカーでくわえ煙草で話すこともあった。)毛糸玉が転がるカット。二歳の誕生日に暗がりでケーキのろうそくだけが光り輝くカットなど。

『ハート・ロッカー』(09年・米) [映画(10年~)]

「戦闘の高揚感はときに激しい中毒となる。戦争は麻薬である。」  クリス・ヘッジス

「お前はよくやれるよな。危険な賭けを。」「知るかよ。おれは…なにも考えてない。」

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物語は省きます。

昨年度アカデミー賞作品賞を受賞したという話題作。イラクで活動するアメリカ軍の爆破処理班の日常を描いた作品。戦争映画のジャンルといえば主人公である兵士の苦悩やら仲間の死、国や国家を掲げた高揚作品だとか反戦、鎮魂だとか色々あると思うけど、この作品は兵隊の日常というカテゴリーからは脱線しないで常に緊張感のある現場の雰囲気を描いてるものだと思う。ドラマとしては少々薄い感じがするのだが、イラク戦争の大義や兵隊の悲惨を描くものより、現場の意識と臨場感というのは伝わる。やたらと爆破処理班を前に出した作品ではあるが、そのイラクの仕掛け爆弾の脅威というものを感じる。画質はやたらと粒子が荒い。主人公はいかにも変な奴といった雰囲気があり、そこが爆破処理に携わる爆弾に対する無頓着ぶりが表れていると思う。

追悼:川本喜八郎『セルフポートレート』 [映画(10年~)]

『セルフポートレート』1988年

いのちくれない~♪
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『海角七号 君想う、国境の南』 [映画(10年~)]

時が流れても、心に残る歌がある。


遠く離れても、忘れられない人がいる。


海角七号 - 君想う、国境の南 -

懐かしくて、新しい。
あらゆる世代を魅了した台湾映画史上、歴代第一位のヒット作
遂に日本上陸!

物語解説は省きます。

昨年の台湾旅行から待ちに待った映画!観にいけてよかった。時を越えたラブストーリーというより、ライブの前座のバンド結成、ライブまでの苦難の道のりといった印象が強かったが、コメディ調でおもしろかった。親日的というより台湾から日本に向けてのラブコールとも観れる。日本でもぜひヒットしてほしい。これを観ると台湾に行きたくなるはずだ!

作中では台湾の土地文化をうまく紹介したシーンがいくつかある。
台湾には色々な信仰があること。キリスト教、仏教、馬祖の神様など。
台湾には様々な人種がいること。漢人系、客家系、台湾原住民系など。
台湾の複雑な言語事情があるということ。(作中は北京語と台湾語を分ける為に台湾語セリフの字幕先頭に「・」がつく。出てくる言語は台湾語に英語に北京語に日本語で、作中では「台湾語は分からないので北京語で喋って!」というセリフが出てくる。)

脚本がいいのか出てくる個性的なキャラクターがうまくまとめあげているように思う。いかにも台湾らしいざっくばらんというか、感情をさらけ出したら皮肉っぽく返されるセリフのやり取りのおかしさ。

ノスタルジーを感じさせる終戦後、引き上げる日本人教師の届かなかった女学生へのラブレターの文面。(これも字幕が欲しかった。)

アカデミー外国語映画賞台湾代表作品。
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