SSブログ

『ロード・オブ・ウォー』(05年・米) [映画(12年~)]

「私を悪と呼ぶのはいい。だが君たちにとって必要悪なんだ。」


ロード・オブ・ウォー [DVD]

ロード・オブ・ウォー [DVD]

  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: DVD



実在する紛争地域に武器を売り込む「悪魔の商人」と言われる武器商人にスポットを当てた映画。ウクライナ移民の兄弟が法の裏をかいて武器商人として成り立つまでを描く。

戦争の裏には武器商人によるビジネスが合法、非合法に問わず行われている。例え敵対関係の国であろうとも武装勢力に武器を売り、商売をする。冷戦の崩壊が途上国に武器をまん延させるきっかけとなった。冷戦中、ソ連邦諸国は西側との戦争の緊張から武器の大量生産をしていた。冷戦の崩壊で緊張緩和は来る戦争に拡張していた軍備に大打撃を与え、維持管理のできないソ連製の武器は大量に国外に流出した。そしてその武器が途上国の主力武器として扱われ、食料よりも安く武器が調達できる環境の中、紛争が絶えず行われている。

戦争の裏のビジネスを描いた社会性溢れるシリアスドラマ。武器は紛争地域にどうやっていくのかは武器商人が売り込んでくるからであり、購入金は現地の土地資産(麻薬、宝石、材木など)から支払われるケースがある。また戦争地域に派遣された軍隊は撤退時に輸送に金が掛る為に現地で大量に破棄され、その武器が紛争の種になっている。武器輸出大国は米、英、露、仏、中であり、この5カ国は国連安保理の常任理事国である。

ニコラス・ケイジはイタリア移民とかロシア移民の役が多いと思うが今回はウクライナ移民米国人の役を演じている。このウクライナ移民はユダヤ教信者が多数で、迫害を恐れて米国に多数移民してきたのだが、中にはユダヤ教を隠れ蓑に移民してきた人たちもいる。主人公の家庭は父親がユダヤ教にハマり、母親はカトリックという設定。ニューヨークのブルックリン、ブライトンビーチは黒海に似ていることからウクライナ移民の多い地区でリトル・オデッサと呼ばれている。武器の売買で成功する主人公は他人の不幸に無感性になっていく過程が恐ろしい。それにしてもニコラス・ケイジ個性派俳優である。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。