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『カティンの森』(07年・ポーランド) [映画(11年~)]

「犠牲者の傍にいたいの 殺害者ではなく…」

カティンの森 [DVD]

カティンの森 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • メディア: DVD


監督: アンジェイ・ワイダ

物語:1939年9月、ポーランドの苦難の歴史が始まる。1日のドイツ軍の侵攻と17日のソ連軍侵攻によりポーランドは分割。ソ連軍に包囲され降伏したポーランド軍将校とその妻の最後の別れがその時だった。消息のない将兵を戦中、戦後と待ち続けた妻とその家族の物語。

ソ連占領下のポーランドで起ったカティンの森事件を映画化。ドイツ軍、ソ連両軍の分割占領と独ソ戦、スターリン主義がポーランドを覆い尽くす戦後、反共産主義を貫く市民と共産化に追従した市民の亀裂を生んだポーランドの近代史を描いた大作である。この映画の冒頭、両親に捧げるとタイトルがあるが、アンジェイ・ワイダ監督の父親がこの事件の犠牲者だということだ。

ソ連軍の捕虜として移送された将兵を待つ妻とその家族はカティンの森でポーランド兵捕虜の虐殺事件を知ることになるが、ドイツ占領下ではソ連軍の仕業とされ、ソ連支配下ではドイツ軍の仕業というプロパガンダを聞かされていた。真相がハッキリしない中、戦後になり、ようやく遺留品が発掘調査される中で、生前の将兵が殺されるギリギリまで書いていた手帳の発見により、事件の全貌が明るみになる。ラスト事件の実態と無音のエンドタイトルで映画は終わるが、その後にも、暗くゾッとした気持ち悪さが続く。この映画に救いはまったくない。

ポーランド式の敬礼の仕方が独特で興味を持った。右手の指を伸ばしてオデコに当てるのは同じだが、人差し指と中指の二本で敬礼するらしい。
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