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『秋津温泉』(62年・松竹大船) [映画(11年~)]

私たちの出会いはあの暗い時代だった。
秋津…
その山深い温泉場に貴女はいた。
貴女の見事に健康な美しさが、私に生きることを教えてくれた。

秋津温泉 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • メディア: DVD



出演: 岡田茉莉子, 長門裕之, 芳村真理, 日高澄子, 清川虹子
監督: 吉田喜重

物語:戦争末期の昭和20年夏。暗い時代と結核の重い症状から自殺願望を持つ青年が、岡山の山奥にある温泉宿「秋津荘」の娘と知り合う。介抱されることから次第に生きる気力と娘に愛情を持つようになるのだが、時代が流れるにつれて純情だった娘は秋津荘の経営が悪化すると一緒に無気力な中年へと変貌していく。戦中戦後の男女の悲恋を17年に渡って描く大作。

藤原審爾原作の「秋津温泉」を映画化。岡田茉莉子の映画出演100本記念映画だそうで、言うことなしの絶世の美人で若い娘役から30代の女将までを熱演。今年5月に亡くなった長門裕之が病弱で自殺願望持ちの文学青年で出演している。病気の症状が改善すると酒びたりのダメ男になるが新子(岡田茉莉子役)は彼のどこに惚れたのかは分からない。
脇を固める豪華助演俳優にも注目。
物語的に文学的な香りが十分する作品で、映画が作られた年からもう半世紀前になる作品。日本の美しい四季がとても印象的で山奥の純和風の温泉宿の佇まいや、室内の雰囲気も美しい。岡田茉莉子の和服姿に惚れ惚れするほどの清楚な色っぽさが感じる。男女を引き裂いたのは時代というわけではなく、男は秋津を数年に一度静養に訪れ、世俗と離れる為に女と付き合い、女は秋津に宿の女将として生活の糧を見出していく。何が二人を引き裂いたのかは分からない。男が年を取るにつれて社会的にも成功し、女が堕落してしまうことから亀裂が生まれたのだろうか。

吉田喜重の演出にも注目。和室の障子戸の境、タバコや酒を飲むシーンなど印象的。林光の音楽もまたいい。
http://youtu.be/2pQkQffP69U
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