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出世が怖いか!『恐怖劇場アンバランスVol.5』 [映画(07年~)]

「マキちゃん…。誕生日…。おめでとう…。」  第9話『死体置場(モルグ)の殺人者』


「人間にはぜったい勲章が必要なんだ。」       第10話『サラリーマンの勲章』


 


DVD恐怖劇場アンバランスVol.5

DVD恐怖劇場アンバランスVol.5

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2007/08/24
  • メディア: DVD


内容紹介
心臓の弱い方、お一人でご覧になる方は、この「恐怖劇場アンバランス」はご遠慮下さい…。
円谷英二、監修―。昭和ホラーが蠢く。



―“恐怖劇場アンバランス”とは?!―
『怪奇大作戦』後、円谷プロが大人に向けて“真の恐怖”を描いた『恐怖劇場アンバランス('69年制作)』。一度はお蔵入りとなり、制作完了から放映まで実に3年もの年月を要した伝説の作品である(放送は'73年)。不条理、怨念、転生、呪い…男と女。人間が持つリアルな恐怖の数々を西村京太郎、松本清張、鈴木清順、藤田敏八ら一流作家競作、渡辺美佐子、蜷川幸雄、花柳幻舟ら異色キャストで贈るオムニバスホラーの金字塔。音楽:冨田勲。


第9話「死体置場(モルグ)の殺人者」 脚本:山浦弘靖/監督:長谷部安春/出演:久富惟晴、西尾三枝子、中原早苗、野坂昭如ほか



第10話「サラリーマンの勲章」 原作:樹下太郎/脚本:上原正三/監督:満田かずほ/出演:梅津栄、津島恵子、冨士真奈美、横山リエほか


『死体置場の殺人者』


出世コースまっしぐらの医大助教授と受講生が乗った車が人を撥ね殺した。警察沙汰を恐れた二人は医大の死体置場で死体をホルマリン漬けにして放置、解剖実習の遺体に見せかけた。しかし死んだ男の体は何度も蘇り、家族の元へ、また復讐の為、助教授と受講生に襲い来る。


シリーズ人気No.1が本作の様子。確かにそのホラー要素は半端ではない。ずばりホラーで病院とかモルグとか薄気味悪い。でもひき殺された男というのが、娘の誕生日祝いにオルゴールを届ける途中だったというところが、ホラーとは別に子を想う親の気持ちの表れで、オルゴールの音色といっしょに物悲しさが漂う。断然悪いのは助教授と受講生のはずで、そこから懲悪のイメージが沸いて、僕は怖く感じなかった。


『サラリーマンの勲章』


係長から課長へと昇進が決まった中年サラリーマン。彼は初仕事である普段より30分早い重役たちだけの朝会議に遅刻してしまう。遅刻をとがめられることを恐れた彼は、会社を欠勤し、普段行かないような競馬場や、ストリップ劇場、飲み屋へと足を運ぶ。その間、家族には出張と言い、会社には欠勤を伝えていたので、行方不明の騒動に発展していた。彼は以前行った飲み屋で印象的だった女主人に気に入られ、同棲生活まで発展するのだが…。


平穏な日常、順風満帆なサラリーマンが突如破目をはずし、放浪するという内容は微塵にもホラーが存在しない。オープニングの「心臓の弱い方…」やCMの間に出るアイキャッチでさえミスマッチな感じがする。「人間にはぜったい勲章が必要なんだ。現在の自分に満足していることが、輝かしい勲章なのかもしれない。」とか「人間の平和なんて、すぐにアンバランスに崩れてしまうんだ。」や「サラリーマンの勲章を捨てて、本当の勲章を胸に飾れる生き方」など、いいセリフの宝庫だ。平和はたいくつなのかもしれない。でも人間の生き方に良いも悪いもない。人の生き方をとやかく言うことはできないのだから。シリーズの中では違う趣きのある物語だ。

『死体置場の殺人者』予告とオープニング。あ、グラサンの男が野坂昭如らしい。
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