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『新 仁義なき戦い』(74年・東映) [映画(07年~)]

「狙ろうとる方が強いんじゃけえの。」


新 仁義なき戦い

新 仁義なき戦い

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 2003/04/21
  • メディア: DVD


内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
深作欣二監督、菅原文太主演による「仁義なき戦い」の続編シリーズ第1弾。財力と暴力で呉を席巻してきた若頭・青木によって窮地に立たされた山守組長は、仮出所した三好に青木暗殺を促す。だが、三好は自らの野望のために、青木打倒に燃え上がる。


おっと、文太さんが続いてしまった。


先日間違えてシリーズ第二弾を借りたけど、一作目と物語に関連性はない。舞台はまたも戦後の広島のヤクザ社会を描いている。ちょっと違うのは冒頭に「これはフィクションです。」とタイトルが付いたこと。それじゃあ「実録」じゃあないじゃないかと思うけど、元々小説から生まれた映画だけあって、広島ヤクザ=山守組はそのままで、まったく新しい話になっている。山守組々長の金子信雄のハマリ役は前シリーズとおんなじ。その憎たらしいキャラクターに一見の価値ありだよ。ほかの幹部は役名を変えて登場している。BGMが前シリーズに戻った。やっぱりパララ~ンでないと。


殺した幹部の葬式に仕掛けた側が参加するという世界。会話の中に悪意みなぎるピリピリとした空気がすごい。


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『トラック野郎・爆走一番星』(75年・東映) [映画(07年~)]

「流れ星になっても知らないぜ。」


トラック野郎 爆走一番星

トラック野郎 爆走一番星

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 2002/09/21
  • メディア: DVD


監督: 鈴木則文 出演: 菅原文太, 愛川欽也, あべ静江


内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
酒・喧嘩・博打に強くなんでも1番でなければ気のすまない星桃次郎と、彼に親愛と友情を抱き、お人好しだが小心なのが玉に傷な松下金造。彼らが絶妙なコンビネーションを見せながら、トラックに男の夢を乗せ突っ走る、痛快な人生を描いたシリーズ第2弾。


前作は東北が舞台だったが、今回は西日本が中心。それも姫路→下関→博多→長崎→天草に掛けて、恋に喧嘩に人情と、旅から旅へ。恋に一途なトラック運転手、一番星こと桃次郎は姫路のドライブ・インでまたもウェートレスの大学生に恋をする。相棒のジョナサンこと金造は恋の相手をバキュームカーの女運転手だと思い込んで、お見合いの手はずをしてしまう。恋する相手が太宰治ファンであることから猛勉強して文学青年を気取る桃次郎。そんな中、謎のトラック野郎、ボルサリーノ2が現れ、金造と対決を挑んでくる。


一連して単純明快な男たち、下品でもダンディズムはプンプンする、キザでかっこ悪いけど、どこか人間味があって、そこがかっこいい。格好そのものが生き様を語る個性的な服装、そんなもんトラック運転手ぐらいしか着ないだろうっていうのがあって、憧れはしないけど、楽しそうなんだ。そういう人種を観るようで、この人はこういう人なんだな~というのが一目でわかる。


映画も観てて照れくさくなるようなお決まりのパターンが出来上がっている。もうそれがおかしくておかしくて、特に振られた女運転手が失望のうちにどこかへ駆け出すシーンとか、見るからに不幸な姉弟に涙する金造一家とか。


ライバル運転手にギャング映画に出てくるようなダンディな服装で登場するのが田中邦衛さん。その名も「ボルサリーノ2」。もちろんアラン・ドロン出演の『ボルサリーノ』(66年)からだろうけど、時代を映したネーミング、しかも『ボルサリーノ 2』が公開されたのは映画と同じ74年なんだ。元警官だった金造に因縁をもち、レースで決着をつけようとする。その対決前に言うセリフが記事先頭にあるのがそう。あ、でも対決は桃次郎さんがするんだけどね。


冒頭ちょい役で、女学生の乗ったバスに教師?バスガイド?の役で研ナオコさんが特別出演。バキュームカーの女運転手の弟役に、若かりし頃の関根勤さん、若い!好青年!タイトルにはラビット関根とある。


トラック運転手に罰則の厳しい警官だった金造にボルサリーノが言う「市民なんてどこにもいねえじゃねえか!世の中、金持ちと貧乏人だけだ。」と敵意に持つ。だが、警官にさえ、失職したら暖かく迎える心の豊かさが、トラック運転手の世界のなんともいえないよさがある。


なんだか定食屋のとんかつ定食みたいで、安くておいしい、中身は決まってるけど腹持ちがいい、そんな感じだな。


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『グッバイ、レーニン!』(03年・独) [映画(07年~)]

グッバイ、レーニン!

グッバイ、レーニン!

  • 出版社/メーカー: カルチュア・パブリッシャーズ
  • 発売日: 2004/10/16
  • メディア: DVD




内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
激動の80年代末のドイツを舞台に繰り広げられるコメディドラマ。心臓発作による昏睡状態にあったため、ベルリンの壁崩壊、東西ドイツ統一の事実を知らない社会主義者の母親。ショックを与えることが命取りになることから、息子は事実を隠そうとする。


東西冷戦中の東ドイツ。一人西側に亡命した父のショックから言葉を失った母。その後、回復した彼女は社会主義政治活動に身を注ぎ、女で一つで子供二人を育ててきた。しかし息子が社会主義体制の反対デモに参加していたことから心臓発作を起こし、意識を失う。こん睡状態が続く中、ベルリンの壁崩壊、東西ドイツ統一の事実を知らないまま、8ヶ月が経過しようとしていたが、奇跡的に意識を取り戻す。意識は戻ったものの長生きはできないと診断されたが、ショックを与えるとさらに命に関わることから、子供二人はありとあらゆる手段で資本主義社会を隠し続けようとする。


ドイツ映画って、独特。フランス映画でもない、ハリウッド映画でもない『それらしさ』ってのはやはり映画を観ているとわかるもんで、お国柄って大切だと思う。社会主義から資本主義の変化を数ヶ月で経験した東ドイツの困惑ぶりがどれほどのものだったのか、それに家族愛、青春ドラマも踏まえて、喜劇的だがしっかりとしたドラマになっている。ショックが大きい政治体制の変貌、隠せば隠すほど以前の社会がどんなものだったのかを理解する。笑って知って、最後にホロリとさせる映画。


息子役の主人公が東側国?のスクーターで走り回るのが印象的。青春映画といえば自転車かバイクだよなやっぱり。西側体制になった後の馬鹿馬鹿しい文化や流行も、ある意味批判的だ。


社会の変化に若者は対応しきれる、でも年寄りには対応しきれないで「昔のほうがよかった。」なんてショックだけが後を引いて、過去に捕らわれてしまう。年寄りと若者の違いってこれなのかなと思った。


レーニン像を見上げるシーンは思わず笑っちゃうなあ。


不安定な世の中でも、将来のことを考える、そういった前向きな時代を描いた作品かも。


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『ダスト・トゥ・グローリー』(06年・米) [映画(07年~)]


ダスト・トゥ・グローリー プレミアム・エディション

ダスト・トゥ・グローリー プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2007/04/25
  • メディア: DVD



内容紹介
世界で最もクレイジーなレースを追った、前人未到爆走ドキュメンタリー!! 大ヒット作『ステップ・イントゥ・リキッド』のデイナ・ブラウン監督最新作! 今度の舞台は、超過激オフロードレースだ! CGやSFXなんか足元にも及ばない、本物のド迫力ドキュメンタリー映画!!


メキシコの西端に位置するバハ・カリフォルニア半島。ここには毎年11月、世界各国から車やバギーやオートバイに乗った怖い者知らずの冒険者たちが集まってくる。彼らが目指すのは、半島の端から端まで不眠不休で走りきる世界最長のノンストップレースにして、最も過酷と言われるオフロードレース"バハ1000"だ。そんなレースを撮影すべく、デイナ・ブラウン監督がカメラ50台以上、ヘリコプター4機、そして約90人のスタッフを引き連れてバハ・カリフォルニアに乗り込んだ。そして完成したのがドキュメンタリー映画『ダスト・トゥ・グローリー』だ。 故・スティーブ・マックイーンや『きみに読む物語』の俳優ジェームズ・ガーナー(彼らバハOBも記録映像で友情出演)らも虜にしたこのレース。メキシコの自然、風、舞いあがる埃(ダスト)、そしてそれぞれの目的のためゴール(栄光)を目指すレーサーたちの興奮と汗の匂い。五感で感じる映画がここに誕生した。
◆1600kmを16時間ノンストップ、最高時速300kmで爆走! 世界一苛酷なオフロード・レース"バハ1000"を余すところなく捉えた、熱狂と興奮のドキュメンタリー! F1元世界王者から史上初の女性チームまで、死と隣り合わせのレースに不屈のスピリッツで挑戦する命知らずの冒険者の極限の人間ドラマが、観る者の魂をゆさぶる!
◆監督は、『エンドレスサマー』ブルース・ブラウンを父に持つ、ドキュメンタリー映画界の急先鋒、デイナ・ブラウン! 大ヒットサーフィン映画『ステップ・イントゥ・リキッド』に続いて放ったのは、モータースポーツ・ドキュメンタリー映画の決定版!カメラ50台以上、ヘリコプター4機、約90人のスタッフを駆使した縦横無尽の映像は圧倒的迫力!


オフロードバイクファンなら誰もが観てるだろう。オフロードレースのドキュメンタリー映画。バイクでも130キロは出して未舗装の道や砂漠をひたすら突っ走る。相当怖いんだぞ。未舗装の道走るのって!観てても怖い!


世界的に有名なバハレースの全貌を描く。レースはバイク、トラック、バギー、クラス11(クラシックカーでレース出場、ノーマルのフォルクスワーゲンが砂漠を爆走。)レディース編成チームなど様々な参加チームとそのレースの歴史、魅力を伝える。親子で参戦するチーム、一人参加して極限を体験する者、リタイアする者、チームそれぞれのドラマ、レースに対する想いも描かれる。


レースは確かにすごい迫力。気になったのはエンディング。監督、ふざけて出すぎだろう。事故を怖がらず、何かに挑戦するというアメリカ人のレース魂には惹かれるものがある。カットが細かすぎて落ち着かないが、それが疲れる。


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『マレーナ ディレクターズ・エディション』(00年/伊・米) [映画(07年~)]

あの頃、あなたが世界のすべてだった。


マレーナ ― ディレクターズ・エディション

マレーナ ― ディレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2002/08/23
  • メディア: DVD


 


内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
G・トルナトーレ監督が、思春期の少年が抱く大人の女性に対する焦げるような想いを描く。第二次世界大戦下のシチリア島、夫を戦地に送り出している美しい人妻・マレーナは町中の男から視線を集め、女からは嫉妬されていた。30以上の新たなシーンが追加。


イタリアが生んだジュゼッペ・トルナトーレと言えば、いわずと知れた『ニュー・シネマ・パラダイス』(89年)が有名。最新作に『名前のない子守唄』が公開され(もう終わった?)世界が注目する人気監督の一人だ。2000年に世界配給版として92分の総尺で公開されのに対し、イタリア本国だけ公開された本作は、103分のディレクターズ・カット版で、世界配給版に30以上のシーンを追加してDVDで世に出る形となった。


僕はこういう「完全版」とか「ディレクターズ・カット版」とか、ひとつの作品を二つに分けるのって嫌いだ。だって二つは長い短いの、それぞれ初めて観るのとでは印象が違うし、覚えてる場面を二回見るという「先の話が見えている」というのがいやだ。『ニュー・シネマ・パラダイス』も『ラスト・エンペラー』も『地獄の黙示録』も全長版が好きだし、監督の意向やメッセージ性をワザと切るという不本意な作品はだめだと思う。また興行収入目的みたいな考えも嫌いだし。でも配給側で、簡略化をしなけらばならなかったっていうなら話は別だけど。


では内容。主に未公開シーンは主人公、レナード少年の妄想シーンが多いような印象。でも省略されたカットが表現のディテールを深くしていることに注目。また肌の露出シーンが増えたような印象だが、初めて観たときのエロチックな感情は、成長した僕にとってそうエロに感じるところがなく、これはカットしたほうがよかったなんてそう感じるものはなかった。過激なところもあるにはあるけど、自然と見れる自分が「ああ、裸体に慣れてしまっている。」という、視点が成長した証拠だなと自覚してしまった。最初見たときは、この妄想エロ少年に「男ってこうだよな。」と共感を感じていた。


通常版のシーンをよく覚えていないけど、エンニオ・モリコーネのずばり効果的音楽の使い方が少し変えて編集されてあったような気がする。大体通常版を観たとき、これだけあるストーリーがたった90分少々で描いてあるのに驚いたもんだ。だって2時間あっても十分な気がしたもの。テンポがいいのでそう長く感じなかったのも事実。


マレーナ役のモニカ・ベルッチも、レナード役のジョゼッペ・スルフォードもいい演技。エンニオ・モリコーネの音楽も、撮影も素晴らしいの一言。ストーリーがどうこうという前に映画のできとしては良作だと思う。ディレクターズ・エディションを買った僕ですが、う~ん。DVDを買うほどでもなかったかな~と少し後悔。通常版は何回か観てる身の上だしな~。気になるのがDVDの画質なんだけど、少々走査線が見える。これってうちの再生が悪いんじゃないよな。


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お一人で御覧になる方は…『恐怖劇場アンバランスVol.3』 [映画(07年~)]


今回は『女』シリーズ。






恵子さん!なぜ君は僕を選んだ!         第5話『死骸(しかばね)を呼ぶ女』




でもさあ。物を作るということはどういうことかな?     第6話『地方紙を買う女』






DVD恐怖劇場アンバランス Vol.3

DVD恐怖劇場アンバランス Vol.3

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2007/07/27
  • メディア: DVD


内容紹介


心臓の弱い方、お一人でご覧になる方は、この「恐怖劇場アンバランス」はご遠慮下さい…。円谷英二、監修―。昭和ホラーが蠢く。 ―“恐怖劇場アンバランス”とは?!― 『怪奇大作戦』後、円谷プロが大人に向けて“真の恐怖”を描いた『恐怖劇場アンバランス('69年制作)』。一度はお蔵入りとなり、制作完了から放映まで実に3年もの年月を要した伝説の作品である(放送は'73年)。不条理、怨念、転生、呪い…男と女。人間が持つリアルな恐怖の数々を西村京太郎、松本清張、鈴木清順、藤田敏八ら一流作家競作、渡辺美佐子、蜷川幸雄、花柳幻舟ら異色キャストで贈るオムニバスホラーの金字塔。音楽:冨田勲。


 第5話「死骸(しかばね)を呼ぶ女」 脚本:山崎忠昭/監督:神代辰巳/出演:和田浩治、珠めぐみ、六本木誠人、小林昭二ほか


 第6話「地方紙を買う女」 原作:松本清張/脚本:小山内美江子/監督:森川時久/出演:井川比佐志、山本圭、夏圭子、吉野よし子ほか


『死骸を呼ぶ女』


 婚約者の恵子から突然別れを告げられた坂井。親友・松岡との浮気によるものだと確信した彼だったが、突然の崩落事故で死亡してしまう。事故の連絡を受け、現場に駆けつける二人、坂井の死を聞いたショックから恵子はその場で意識を失ってしまう。依然、坂井の遺体が見つからない中、病室内の恵子が突然うなされる症状が現れる。それと同時に、事故現場で女性の姿が目撃される。不審に思う松岡の前に、死んだはずの坂井が現れる。


 監督は『青春の蹉跌』の神代辰巳。ホラーを詠うシリーズが、本作はラブストーリーの色が濃い印象。愛する二人の男の一方が死に、男を思う気持ちから幽体離脱を繰り返す女性。そして女性の力を借りて蘇る男。幽体離脱とゾンビを足して、それに愛を踏まえるという欲張った作品。ラストは蘇った男と対決する。幽体離脱を繰り返すその理由が元婚約者の為という悔しい思いに寄せる松岡の心境もなかなか「真実の愛は?」を決定させる恋愛映画みたいな感じ。


地理的演出に砂場のシーンが効果的。あ、対決シーンはその砂場なんだ。


 


『地方紙を買う女』


ある地方新聞社に「連載されている小説が面白いので、定期購読したいので送ってほしい。」という手紙が届く。しかし程なくして、「つまらなくなったので、もう送らないでほしい。」という葉書が。不審に思った小説家は、差出人の女の居所をつかみ、その理由を聞き出そうとするが、小説の内容を理解していない様子。疑問に思った小説家は、手紙から指定された日にちの新聞に記載されてある心中事件に興味を抱く。


タイトルからしてミステリー小説のようだけど、原作は松本清張。主な話は心中事件に関わる、連載小説を口実に新聞を買う女の謎を紐解く。内容からミステリーの要素が強いようだが、ラストはまったくの別の物のような印象。まったくの脇役の小説家の助手の存在がボンと前にでる。勢いのなくなった小説家の意地、支える側の助手の複雑な心境などが浮き出てくる。


『死骸を呼ぶ女』予告とオープニング。



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心臓の弱い方…『恐怖劇場アンバランス Vol.2』 [映画(07年~)]

「あなただって人を殺そうと思ったことが、あるはずです。」  第2話『殺しのゲーム』
「こ~の目玉は~天使の~目玉に~違いない~違いない…。」第3話『仮面の墓場』 


DVD恐怖劇場アンバランス Vol.2

DVD恐怖劇場アンバランス Vol.2

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2007/07/27
  • メディア: DVD


内容紹介


心臓の弱い方、お一人でご覧になる方は、この「恐怖劇場アンバランス」はご遠慮下さい…。円谷英二、監修―。昭和ホラーが蠢く。 ―“恐怖劇場アンバランス”とは?!― 『怪奇大作戦』後、円谷プロが大人に向けて“真の恐怖”を描いた『恐怖劇場アンバランス('69年制作)』。一度はお蔵入りとなり、制作完了から放映まで実に3年もの年月を要した伝説の作品である(放送は'73年)。不条理、怨念、転生、呪い…男と女。人間が持つリアルな恐怖の数々を西村京太郎、松本清張、鈴木清順、藤田敏八ら一流作家競作、渡辺美佐子、蜷川幸雄、花柳幻舟ら異色キャストで贈るオムニバスホラーの金字塔。音楽:冨田勲。


第3話「殺しのゲーム」 原作:西村京太郎/脚本:若槻文三/監督:長谷部安春/出演:岡田英次、春川ますみ、田中春男、石橋蓮司ほか
第4話「仮面の墓場」 脚本:市川森一/監督:山際永三/出演:唐十郎、緑魔子、早川保、小野千春ほか


このシリーズはなんだか依存症のような、後を引く面白さ。TVシリーズと高をくくっちゃだめだよ。怖くて面白い作品なんだって。 一話50分少々の作品ながら色んな要素を組んでるんだって。猫ににらまれたら最後、心臓の弱い方は観るのをやめて、一人で見る方は一人で観て!


『殺しのゲーム』


末期の胃癌だと告げられた中年サラリーマンの前に、謎の男が近づく。男は「自分は末期の肺癌でもう余命行く場もない。二人とも余命行く場もない者同士、財産を掛けて、殺しのゲームをしようじゃないか。」と持ちかける。かたくなにゲームの参加を拒み続ける胃癌の男に、肺癌の男は殺人を実行しようとする。


「誰にも殺そうと思った人間はいるはずだ。殺せないのは警察につかまる恐怖があるからだ。癌の進行の恐怖も、このゲームをしている間は忘れられる。余命行く場もない私たちは、このゲームをやっている間は救われるのです。」


実際にあるかもしれない物語。ホラーというよりはサスペンスが強い。「癌で死ぬ運命にある。」という根本から「何をやっても構わないじゃないか。どうせ二人は死ぬんだから。」という理屈に繋がる道理。死の運命からは抜け出せられない。ただ死ぬまでの間にやっておこうという思想から、生死をかけた殺人ゲームの幕が切って落とされる。心理サスペンスとしても、なかなか見ごたえがある。これは映画化の前に、尺が足んないからTVシリーズでやってみようという関係からこうなったんじゃないかな。どちらにせよ短編で十分の作品だと思う。


『仮面の墓場』


5人の小さな劇団が、古びた映画館で自主公演の準備をしていたが、一人が事故で転落死してしまう。警察沙汰になることを恐れた劇団員は、死体を地下の焼却炉で始末してしまおうと火に掛けるが、中から死んだはずの団員の叫び声が聞こえた。その後も死んだ団員を見たという証言や、団員たちの不和が元で公演もままならなくなるのだが、事態は思わぬ方向へ…。


これは怖い!『金田一少年の事件簿』にあるかのような劇団員たちのドロドロとした思惑、死んだはずの男が現れるという恐怖、監督の鬼気迫る公演への憧れ、ラストに繋がる演劇賛美。ホラーの要素と演劇を賞賛するイメージ映像まで加えた面白い作品だ。これは演劇の舞台裏を描いた作品だが、実は作品自体が劇のようになっていたという意味合いもあるのだろう。ラストは観て驚くよ。


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小津さ~ん!『長屋紳士録』(47年・松竹) [映画(07年~)]

「今度寝小便したら承知しないからね!」


長屋紳士録

長屋紳士録

  • 出版社/メーカー: Cosmo Contents
  • 発売日: 2007/08/20
  • メディア: DVD


内容紹介
小津安二郎の戦後第一作監督作品である。戦後間もない東京には、戦争で親を亡くした戦災孤児がたくさん居たが、その中の一人を拾ってきた男(笠智衆)は、その子を女(飯田蝶子)に預けてしまう。女はその子が疎ましくて仕方がないので、どこかに置き去りにしようとするが、なかなかうまくいかない。そのうち、その子供に情が湧いてきて、二人の間に、実の親子のような絆が生まれてくる。しかし…。段々と子供に対する気持ちが変化する経緯を小津の演出で、そして飯田蝶子の演技力で、魅せる作品。懐かしい昔の東京の風景と共に、心に残る作品である。

 

戦後東京の廃墟の残る風景、長屋を舞台にした温かみのある人情劇。唐突にも「勝手について来てしまったんだ。」と言ういい加減な笠智衆さんが向かいのおばさん(飯田蝶子)に一晩だけ子供を預けてもらうように頼んだことから物語は始まる。笠智衆さんはヒゲが多い顔だったので少し若々しい印象。

 

家に上がりこんだ見知らぬ子供の相手をすることになる飯田蝶子さん。嫌そうな顔に愚痴をこぼす。無口な子供に不思議と親子の関係を思わせる情が入るのも、とても自然だ。

 

小津映画特集、3本立てでした。

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笠智衆さ~ん!『東京物語』(53年・松竹) [映画(07年~)]

「東京も見たし、熱海も見たし、そろそろ帰るとするか。」


東京物語

東京物語

  • 出版社/メーカー: Cosmo Contents
  • 発売日: 2007/08/20
  • メディア: DVD


内容紹介
日本映画を代表する傑作の1本。巨匠・小津安二郎監督が、戦後変わりつつある家族の関係をテーマに人間の生と死までをも見つめた深淵なドラマ。故郷の尾道から20年ぶりに東京へ出てきた老夫婦。成人した子どもたちの家を訪ねるが、みなそれぞれの生活に精一杯だった。唯一、戦死した次男の未亡人だけが皮肉にも優しい心遣いを示すのだった…。いまでは失われつつある思いやりや慎ましさといった“日本のこころ”とでもいうべきものを原節子が体現している。家でひとり侘しくたたずむ笠智衆を捉えたショットは映画史上に残る名ラスト・シーンのひとつ。


ついに観た!超有名作!もう世の中こんな感じだと思う。東京に住む息子、娘の家族は上京してきた親を厄介払いに熱海に行かす。親の相手など、せわしない私生活には邪魔でしょうがない。戦死した息子の嫁だけが、誠心誠意を持って尽くしてくれる。親子の関係とはいかなるものか?と考える構成。


母が危篤になったときにだけ一同に集まる子供たち。死んだ母の品を譲り受ける手はずをする長女、確かにいやな感じだけど、人間そういうものなんだろうと思ってしまう。尾張の寂れた風景に一人になった笠智衆。彼はこれからどう扱われるのだろう。確かにこれはすごい作品だ。


これを観る前にバッタリU君に出会った。なんだか久しぶりだけど、ヌーヴォに行くとだれかに会うな~。


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原節子さ~ん!『晩春』(49年・松竹) [映画(07年~)]

「お父さん、今までありがとう。」


晩春

晩春

  • 出版社/メーカー: Cosmo Contents
  • 発売日: 2007/08/20
  • メディア: DVD


内容紹介
「東京物語」と並ぶ小津安二郎監督の代表作で、結婚をめぐる父親と娘を題材にした感動作である。笠智衆と原節子の共演第一作で、鎌倉を舞台に、妻を早くして亡くした大学教授の父と、27歳になってもそんな父親を一人残して嫁に行く気にはなれない娘。そして二人のことが気が気でなく何かと世話を焼く叔母(杉村春子)。父と娘の親子愛を中心に、二人を取り巻く人々の人間模様を、小津監督独特の手法で、淡々と描きます。杉村春子のコミカルな演戯、月岡夢路のはつらつとした演戯、そして何といっても、原節子の表情の変化と笠智衆の渋さ、ラストシーンの父親の背中に全ての思いがこめられています。


観ましたよ。小津安二郎作品を。ドラマチックではない。ただ静かに感じる親子愛、別れ、哀愁、心境。ごく平凡な言葉の中にひしひしと感じる感情表現など、素晴らしい。原節子さんが美人過ぎて、できた娘過ぎるのでなんにも言えないよ。


あんな人が自分の娘で「結婚したくありません。お父さんと一緒に暮らしたいの。」なんて言われたら親として何と言おうか。笠智衆さんは「お前はまだ若い。今が幸せでも新しい幸せが待っている。」なんて渋過ぎるよ笠智衆さん。当時45歳にして渋い。


京都の旅の晩に、親子水入らずで枕を並べるシーンでは、有名な「壷のインサートシーン」が有名らしいが、確かに柱の向こうにある障子に月の光で照らされる植物の影と、壷が陰影を出している。印象的。


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